3.11について書く。なぜ原発はやめられないのか?(上)

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 能天気にダビデの股間について書いていたら、世の中目まぐるしい。
 財務省の公文書変造で内閣が危なくなってきた。
 書き替えなのか、変造なのか、改竄なのか、偽造なのか、本ブログに格好の材料を提供してくれる財務省と首相官邸だが、火の手は上がったばかりでどこまで燃え広がるのかわからない状況なので、取り敢えず予告通りに3.11について書く。

 今朝も便座に座りながら、カレンダーのダビデ像を眺めた。
 ダビデ像を眺めながら、なぜ原発はやめられないかについて考えた。
 もちろん、ダビデ像とは関係ないが。

 誰だって原発は危険だと思う。
 原発賛成の人だって、原発は本来危険なものだと知っている。
 現に、3.11の福島第一原発事故は取り返しのつかない事態を招いてしまった。
 ばらまいたのは放射性物質だけでなく、被災者を始めとした国民すべて、日本の未来に不幸と不安の種をばらまいた。

 原発など、ないに越したことはない。
 それでも政府や自民・公明の連立内閣は将来に向けて原発を維持しようとしている。
 理由は明快だ。

 第一に、地球温暖化対策、即ちCO2排出を抑制するため。
 第二に、経済的理由、即ち低コストで電力を供給するため。

 第一の理由については、太陽光・風力などの再生可能エネルギーで対応すべきという意見がある。
 これに対する反論として、敷地などの物理的理由、高コストなどが挙げられるが、高コストについては第二の経済的理由なので、そちらで併せて考えることにする。

 物理的理由については、漸次改善していけばいい話で、将来的には地熱やバイオマスの導入も考えられる。
 再生可能エネルギーへの転換を推進し、早い将来に原発をゼロにするという政策目標、仮に努力目標であっても、それを掲げられない理由にはならない。

 努力目標など掲げられないという反論もありそうだが、現に安倍内閣と日銀が掲げてきた物価上昇率2%の目標も実現できておらず、実質的には努力目標でしかなくなっている。

 第一の理由、つまり政府と現内閣が再生エネルギーに消極的なのは、第二の高コストという経済的理由に帰結する。(つづく)


2016年東京電力株主総会レポート(4)─陰の主役

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 議案の趣旨説明の後は質疑に移り、事前質問への回答の後、会場内からの株主が発言した。

 議長の数土さんが意図的にそうしたのではないと思うが、なぜか原発推進派の株主への指名が多く、推進派・反原発派双方の野次が応酬される中で、反原発派からすれば公平を欠くように見える不規則発言に対する指揮や、昨年同様の高圧的な議事進行もあって、議長不信任の動議が出された。

 4つ目のグループの原発推進派の質問から感じられたのは、たんに再稼働を求めているだけでなく、反韓・反中・反左翼的主張も強く、しばしば問題となっているヘイトスピーチ団体と似たような雰囲気を持っていた。
 一方の反原発グループの質問も、議事進行のルールからは脱線気味で、こちらも冷静とはいいがたかった。

 一般株主からの質問の中で注意を引いたのは、株式全体の過半を所有している原子力損害賠償・廃炉等支援機構の株式保有率の引き下げについてで、広瀬社長は、今年度末の経営評価の結果を見て支援機構の株式比率を引き下げることに言及した。

 支援機構は国のことで、株式の過半を有していることで、東電を実質的に国の管理下に置いている。
 つまり現在の東電は国の言いなりにならなければならないわけで、優先株となっているこの株式を東電が買い取るか、機構が普通株式に転換して売却し、保有率が半数を下回れば、国家管理を弱めることができる。

 東電の株主総会には4つのグループがあると書いたが、ショーの真の主役は反原発グループでも原発推進グループでも、まして一般株主でもない。
 支援機構、つまりは国が真の主役。4つのグループは、株主総会ショーの陰に隠れた黒子に踊らされているにすぎない。

 東電も本来は私企業である以上、社内生え抜きの役員や社員からすれば、国家管理を外れて自主性を取り戻したいのは当然のこと。
 その思いがもっとも強いのは、社長である広瀬さんだろうと推察される。 
 
 そうした背景もあって、採決に移ると、反原発株主から、1号議案の取締役選任案から、数土さんと、西山圭太さんを除外するという修正動議が出された。

 数土さんは東電の社外取締役で会長を務めているが、産業の要である製鉄会社、JFEホールディングスの特別顧問で、電力を必要とする経済界を代表して送り込まれた。
 西山さんは経産省官僚で、支援機構から送り込まれている。
 
 2011年3月11日の原発事故を経験した東電生え抜きの役員と、事故後に社外からやってきた取締役では、事故に対して温度差があるのはやむを得ないかもしれない。
 東電生え抜き役員は、事故による東電の地獄を味わった人たちで、それぞれに事故に対する後悔や自責の念を持っているだろうし、社外からやってきた取締役にはそうした負い目はなく、むしろ東電の窮地を救うためにやってきた有志連合軍くらいの気持ちかもしれない。

 そうした両者の立場の違いは総会中にも感じられて、推進派株主が反原発派や当時の民主党政権、原発に批判的なマスコミを攻撃する質問をした際に、数土さんが援軍を得たように謝辞を述べたのに対し、広瀬さんは声を震わせながら福島の被災者に配慮した答弁をした。

 総会終了を晴れ晴れとした顔で宣言した数土さんに比べ、最後まで苦渋の表情を浮かべたままの広瀬さんが印象的だった。


2016年東京電力株主総会レポート(3)─第4勢力の躍進

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 昨年から新たに登場したのは原発推進派で、今年は明確な4つ目のグループを形成した。

 昨年までは反原発派が、横断幕を掲げたり、チラシをまいたり、演説したりして、一般株主に反原発を呼びかけていた。
 株主総会会場が再び代々木第一体育館に戻った今年も、入口では例年のように情宣活動をしている風景が見られた。

 てっきり、反原発派と思ってその前を通り過ぎようとしたとき、昨年までとは様子が違っていることに気付いた。
 原発再稼働を呼び掛けているのである。
 昨年までの反原発派が、そっくり原発推進派に入れ替わっていた。

 彼らはこの一年の間に、正確には株主総会出席の権利が得られる今年3月までに、東電の株式を手に入れ、多数の個人株主となって総会会場内に入り込んでいた。
 
 午前10時ちょうどに総会が始まり、広瀬直己社長が事業報告を行った。
 今年の総会の目玉は、4月からの電力小売り自由化に伴い、東京電力がホールディングカンパニー制に移行したことだ。それ自体は以前から予定されていた。

 2011年3月11日の原発事故後、電力会社の発電・送電・小売を分離することが決まり、東電は4月からホールディングカンパニーの下に3つの事業会社を分けた。
 発電会社と送配電会社、小売電気会社の3つで、消費者に直接かかわる小売電気会社は東京電力エナジーパートナー株式会社になった。

 4月からは小売電気事業に東京ガスなども加わり、セット売りなどの競争が激しくなった。
 東電も来年から都市ガスも販売して対抗する計画だ。

 一般株主にとって心配されるのは、販売競争で東電の業績が落ち、再建が遅れること。
 もうひとつは、事業会社に分けられたことで、原発事故の責任の所在が曖昧になり、補償や廃炉を含めて責任感が希薄化することだ。

 新聞報道にもあったように、事故当時の清水正孝社長が炉心溶融の隠蔽を指示したことについて、広瀬社長が謝罪する。
 監査報告などの後、議長の数土文夫会長が決議事項の会社提案、取締役選任案を読み上げる。
 続いて、2号議案の提案株主の趣旨説明が始まった。

 2号議案は、早期の原発再稼働を求めるもので、先に挙げた原発推進派の4つ目のグループの提案であることはすぐにわかった。
 提案者だけでなく、会場のあちこちにいるメンバーから賛同の掛け声が上がった。
 反原発派の3つ目のグループ同様、彼らの主目的は経済活動ではなく、政治活動のために株主となったのは明らかで、会場入口で情宣活動をしていたグループのメンバーと思われた。

 3~11号議案は、反原発派株主の提案で、面白いことに9議案のうち、7議案の趣旨説明を女性がした。
 会場で声を張り上げている原発推進派の中にも女性が多く、女性は政治活動や社会運動に熱心だということなのか、あるいは女性を前面に出した方が効果があるということなのか。
 最近は、それで先進的だとみられたいのか、政治家を含め、女性をフューチャーすることが多くなった。

 反原発派の提案は、原発廃止・避難計画・柏崎原発の分離・二酸化炭素削減・廃炉作業・補償などに渡ったが、汚染水処理についてはグリーンピース・ジャパンの女性が趣旨説明をした。
 昨年までは福島県の人たちの存在が目立っていたが、避難区域解除が始まったせいか、避難疲れか、今年は存在感が感じられず、反原発派も構成に変化があったのかもしれない。

 趣旨説明は1議案に付き各3分と時間制限があるが、反原発派は合計すると27分の時間を与えられた。
 原発問題についての各テーマをそれぞれの議案に割り振って、効率的に意見を述べていて、質疑を含めて経営者を糾弾するだけの昨年までのやり方に改善が見られた。
 あるいは、挑発的な原発推進派グループの登場で、理性的な戦術に方針転換したのかもしれない。(続く)



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