生まれ変わる中禅寺湖(3)時を止めた日光プリンスホテル

    
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森に囲まれた中禅寺金谷ホテルのロビーと部屋からの景色

 復興御宿富双江葉大馬・奥日光秘極の湯・興もだめで、日光レークサイドホテルもだめで、どこに泊まるべきかはたと困った。
 中禅寺温泉にあるホテルにしようか、それとも・・・
 星野リゾート界日光は、端から選択肢に入っていない。
 奥日光で日本旅館は出来るだけパスしたいし、それよりも圧倒的に高い。 
 結局、今回は中禅寺金谷ホテルに泊まることにした。

 中禅寺金谷ホテルは、昭和15年に日光観光ホテルの名で開業した歴史あるホテルで、戦後しばらくは神橋にある日光金谷ホテルともども、米軍の保養所となっていた。
 当時の写真は、食堂や廊下に展示されていて、興味深い。現在の建物は平成4年に建て替えられたもの。
 中禅寺湖との間に木立が茂っていて湖が見渡せないのが残念だが、森に囲まれたリゾートなホテルで、湖岸には接収時に造られたボートハウスがある。

 現在は日光自然博物館が管理していて、ボートハウスのテラスから中禅寺湖を何時間でも眺めていられる。
 まさに、時を忘れて悠久の時を過ごせる場所で、湖岸の遊歩道を散策して西岸の別荘地跡を訪ねることもできる。

 神橋そばにある日光金谷ホテルは、明治6年に開業した日本最古のリゾートホテル。
 百年カレーを始め、料理に定評があり、ここ中禅寺金谷ホテルを常宿にしている奥日光ファンも多い。

 余談だが、今回の朝食にオレンジマーマレードと苺ジャムが付いた。ヨーグルトにはブルーベリージャムが載せてある。
 私自身、手作りジャムを作っているので、どうしても真剣に味見する。

 丁寧に灰汁を抜いた透明感のある味で、オレンジマーマレードのピールの幅は1ミリまで。果皮は白い綿をそのまま残していて、やや多めのペクチンでとろみをつけ、味といい柔らかさといい絶品。
 苺ジャムはプレザーブと潰した実が半々で、これまた丁寧に灰汁を取り除いて、ペクチンで程よいとろみ。
 ブルーベリージャムは皮を残した通常の製法。
 ジャムを塗ったパンを食べながら、今度、金谷ホテルのジャム作りに挑戦してみようと、舌に誓ったのであった。 

 中禅寺金谷ホテルから見える菖蒲が浜の岬の奥に、日光プリンスホテルがあった・・・いや、建物は今もそのままだ。
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 龍頭滝の交差点から、湖の方に道を入って行くと、突当りにロータリーがある。
 ロータリーに今年も除雪車が置かれていて、ロープで敷地を囲った日光プリンスホテルがある。
 除雪車もロープもここ数年、見慣れた景色となった。

 英国大使館別荘記念公園がオープンし、ホテルも廃業したり新しく開業したりと、中禅寺湖周辺はどんどん姿をかえていくのに、ここだけは時が止まったように何も移ろわない。
 いや、ロープは汚れ、立入禁止の看板も埃がこびりついて文字が読めないくらいになって、8年間の時の澱は確実に堆積している。
 それでも、生まれ変わる中禅寺湖から取り残されたように、時間の進みはゆっくりで、止まっているようにしか見えない。

 その中で、植樹された樹木だけが時間の経過を感じさせて、菖蒲が浜スキー場は、そこがゲレンデだったという面影を失いつつある。
 湖に回ると、今年の中禅寺湖は大きく水量を減らしていて、干潟のように湖の縁の底を露出させている。
 砂浜に横たわる太い幹をベンチ代わりにして腰かけると、かつてホテルの庭にあったベンチに腰掛けて湖を眺めていた頃の思い出が甦る。

 旋回していた鳶が樹上に翼を休め、人の気配に鵜が飛び立つ。
 キャンプ場でテントを張る人の姿が小さく見える。
 ここから見る中禅寺湖は何も変わらない。30年前から何も変わっていない。
 振り返れば、木立の向こうに昔のままのプリンスホテルの建物が見えて、ただ一つ欠けているとすれば、そこに庭をかける子供たちの歓声がないことだ。

 今回、撮影した日光プリンスホテルの写真は、ホームページに追加した。

文月に日光を訪ねて(2)─日光プリンスホテルは平穏無事


 霧降高原から奥日光へ向かい、竜頭滝茶屋で遅めの昼食をとる。
 すっかり本降りで、滝の水が勢いよく落ちている。
 そんな雨の中でも滝を見に来る人はいて、傘をさして遊歩道を登っていくカップルもいる。

「これでは戦場ヶ原は無理だな」
「早めに宿に入った方がいいかもね」

 以前、雨の中を歩いて靴の中までびしょ濡れになったことがあった。
 行程はよく覚えていないのだが、赤沼のトイレ前に車を置いて戦場ヶ原を歩き、再び戻ってきて靴と靴下を脱ぐと足がふやけていた。
 ズボンの替えはあったが靴の替えがなかった。仕方なく裸足で車を運転して中禅寺湖まで行き、よろず屋でサンダルを買って、それを履いて東京まで戻った。
 さすがに裸足で東京まで運転する気にはならなかった。

 少し小降りになったので、日光プリンスホテルに立ち寄ってから宿に向かうことにする。
 もちろん日光プリンスホテルに入れるわけはなく、いつも通り日光プリンスホテルの無事を確かめに行くだけだ。
 雨降りなので草地に分け入ることもできず、道端に車を停めて、遠目からコテージの写真を撮る。ゲレンデ駐車場のあった付近まで歩き、これも遠目に植林された斜面を撮影する。

 すると後ろを1台の普通乗用車が通り過ぎていく。
 道の先には民家が2軒あるだけで、あとは閉鎖された日光プリンスホテルがあるだけ。
 写真を撮り終えて道に戻ると、さっきの車が来た道を帰っていく。
 おそらく私だちと同じように、日光に来るたびにホテルの様子を確かめに来るのだろう。
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 雨の中をわざわざ寄り道していく車。
 ロータリーを1周するだけで、この道には何もない。
 ホテルに再開の兆しがないことに落胆し、しかし無事な姿に安堵する。
 日光プリンスホテルの変化の兆しはない。しかし、今年の夏も無事、そこにあった。
 希望をまた来年に繋ぐ。

 ブログにもホームページにも、毎年、その変化のない写真を載せる。
 さして変わりのない写真を載せることに意味があるのかと考えたこともある。
 しかし、最近は毎年変化のない写真を載せることに意味があるのだと考えるようになった。
 日光プリンスホテルが平穏無事であることを、閲覧に来られた方にお知らせすることに意味がある。

 雨が降っていたので、今回は湖には行かなかった。
 写真を撮り終えて帰っていく。ただそれだけだ。
→日光プリンスホテルの他の写真は、ホームページに。

(写真は、日光プリンスホテル正面と龍頭滝)

日光プリンスホテルの写真サイトが完成、オープン!


 日光プリンスホテルの写真を集めたホームページを作ると宣言してから、2年が経ってしまった。
 本ブログの日光プリンスホテルのカテゴリーの記事と写真をご覧になってコメントいただいた方への返事で、二度ばかりそう書いた。

 制作2年! と言いたいところだが、実は今月初めにようやく重い腰をあげて、1週間でサイトを作った。ROMから写真を引っ張り出し、整理して、とりあえず体裁を整えた。
 営業終了前に撮影した内部写真は、本館、コテージ・庭に分類。閉館後の様子を営業終了後、戦場ヶ原などホテル周辺で撮影したものを散策に分類し、都合4ページに300点以上を載せた。

 連れ合いからは少ないからもっと載せろと言われたが、似たような写真が続いてはという思いもあって、一応厳選したつもり。
 今後、日光を再訪した際に追加する写真もあるし、何よりデジカメで撮った写真しか選んでいない。
 それ以前のフィルム写真は整理できていないし、ネガやプリントからのデジタル化はさらに大きな作業量となる。おいおい、そちらにも手をつけていこうとは思っているが、何年先になることやら。

 ホームページは写真ばかりで、説明も最小限しか書いていない。日光プリンスホテルや奥日光をあまりご存じない方には甚だ不親切だが、基本は思い出をお持ちの方を対象にした。

 また以前、ブログに掲載の写真をダウンロードし、プリントして当時を懐かしんでいるというコメントをいただいたことがあり、ホームページの写真にはコピー防止の措置をとらなかった。

 興味のある方は、下記リンクか、右のプラグイン・リンクの日光プリンスホテル写真館のバナーをクリックすればサイトに行ける。
 日光プリンスホテル写真館へのリンク
  

 自分でいうのもなんだが、ホームページを作成している間、懐かしさがこみあげてきた。掲載しなかったが、ホテルマンの皆さんの写った写真もあって、今はどうしているだろうかと思った。
 ホームページが、ご覧になった方々の思い出を甦らせる助けとなれば、作った甲斐がある。


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