魔の地下宮殿? 大谷石地下採掘場跡を訪ねる

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 7月中旬、奥日光に行ってきた。
 いつもなら東北自動車道を宇都宮で降りて、日光宇都宮道路で真直ぐ清滝に向かい、いろは坂を上って中禅寺湖畔に出るのだが、今回は宇都宮から大谷にある大谷石地下採掘場跡、大谷資料館に立寄った。

 大谷石に関しては、子供の頃、立派なお屋敷の石塀などに利用されていたくらいの印象しかなく、30年ほど前の地下採掘場跡での陥没事故が話題になったのを覚えているくらいだった。
 駐車場で車を降りると、早速切り立った崖が望めて、まるで中国の山水画の風景を見るような趣だった。

 地表に空いた穴から冷気が吹いてきて涼しい。
 資料館の入口で入場料を払って階段を降り、順路に従って進むと広大な地下空間に出る。
 寒暖計があってセ氏11度。外は34℃なので、まるで冷蔵庫に入ったよう。

 持参した上着を羽織るが、いささか空気が湿っぽくて快適とは言い難い。
 前日の雨のせいらしく、外気が流れ込んでいるあたりには、冷蔵庫の扉を開けた時のように薄い靄が漂っている。
 湿度が高いために冷やされて露点温度に達した外気が凝結して靄となっているわけだ。
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 地下採掘場跡のあちこちに説明書きがあるのだが、採掘場の説明よりは映画やテレビ・PVの撮影、コンサートや外車の新車発表レセプションに使われたという説明が多く、その時の写真も掲示されていて、むしろ貸しスタジオとしての利用が多いことに驚く。
 魔の地下宮殿的なイメージがあって、アクションものや特撮に使われているのも頷ける。

 最近では『仮面ライダー』や『リアル鬼ごっこ』『暗殺教室』『るろうに剣心』、古くは薬師丸ひろ子の『セーラー服と機関銃』にも使われたというが、どのシーンなのだろう?
 もっとも古くは戦前の『エノケンの孫悟空』でも使われているそうで、この映画は見た記憶がある。もちろん、戦後のテレビ放映でだが。

 歴史的なことでは、江戸時代には採掘が本格的に行われていて、戦中は戦闘機の工場、戦後は政府米の保管庫に利用されていたのというのが興味深い。
 陥没事故についてはその後も小規模なものが何度か起きているそうだが、ネガティブ・イメージからか、大谷資料館にそのような展示がないのがいささか残念だった。

 地上に出ると炎天下の日差し。
 駐車場に戻り、一路奥日光を目指す。

横浜-上海、クルーズ船の旅(15)再見・上海

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開店したての上海ユニクロ

 前回書いた、浙江省にある水郷・西塘の帰り路、高速道路から見る上海の高層ビルの夜景もまた素晴らしかった。
 移動する車中ということもあって写真を撮らなかったが、中国の高層ビルは屋上が楼閣のようになっていて、夜になるとライトアップされる。

 ビルのてっぺんだけがペンライトのように光っていて、なんとも幻想的。ガイドの人の話では、衝突防止灯を兼ねているのではないかという話だった。
 なるほどと思いながらも、近くに住んでいる人には光害じゃないの? と考えながら車窓から見える幾多のライトアップビルを眺めるが、やはりきれい。東京でもあれば素敵だろうと思う。

 上海市の人口は2400万人で東京都の2倍。5万人の日本人が在留している。
 中国では省と同格の直轄市で、他に北京市、重慶市、天津市の3市がある。
 面積は約6300㎢で、東京都の約3倍。人口が2倍であることを考えれば、大きな都市であることがわかる。

 国慶節の前日、上海の中心に世界最大のユニクロがオープンした。
 錦江飯店からも近く、翌日の朝、たまたま通りかかったのだが、みんなユニクロの袋を持っていて、地下鉄に乗ってもユニクロの大きな袋を下げた人を見かけた。
 中国人の多くはユニクロが日本企業だと知らない人が多いと聞いた。ご時世から、ユニクロも国籍をステルスにしているのだろう。
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新しい地下鉄ホームは広くてホームドアも
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田子坊の看板下で記念撮影する人
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若い人でごった返す田子坊
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田子坊近くにある市場

 上海の地下鉄は清潔で便利。ホームも広く、東京同様に色分けした路線の案内板がしっかりしている。
 チケットの求め方は自販機のタッチパネルで路線図を出し、行き先の駅名を押し料金を入れるとICカードが出てくる。それを持ってスイカやパスモのように自動改札でかざして通り抜ける。乗り換えもOK。

 上海人は東京同様にチャージされたICカードを携帯しているらしく、自販機で切符を買う人はお上りさんだけ。
 つまり、自販機はすいているし、良くわからなくて手間取っていても誰もせかさない。みんな切符の買い方のわからない田舎者だから。
 というわけで、日本からの田舎者も「よくわからない」を連発しながら切符を購入したのであった。
 上海市内の移動は、安心して乗れて便利な地下鉄が断然お勧め。

 短い滞在だったので、どこに行こうかと迷った挙句、田子坊(Tianzifang)に行くことにする。
 入り組んだ狭い路地の両側に小さな店が並び、言って見れば原宿の竹下通りのような感じ。道はもっと狭い・・・って竹下通り、もう何十年も行ってないな。
 混雑度から言ったらアメ横の、しかもガード下の感じ。

 スナック系の飲食店が多いが、アクセサリーとか雑貨とかバッグとか服とか、若い子向けでやっぱり渋谷・原宿系。
 国慶節休暇もあって、若い子でごった返してすれ違うのも大変。中にはクレジットカードが使えるようなブティックもあって、英語も多少話すが、会話にはならない。
 若い子が集まる街は楽しい。中国の素顔が覗けるし、活気がある。

 近くには昔ながらの市場があって、野菜・肉・海産物を売っている。市場を見つけると必ず立ち寄ることにしていて、何を食材にしているのか中国庶民の生活が想像できて楽しい。

 入ったところに中国茶を売る店があって、ジャスミン茶と緑茶を売っていた。ジャスミン茶にしようか、市場で売っている緑茶だからそこそこの味なんじゃないとか話していると、中国人のおじさんがサービスするから買って行けという。
 お互い言葉が通じない中で話しているうちに、「これもつけろ」的な感じでサービスしてもらった。

 上海には小籠包の安い店があってチェーン展開している。
 軽めの昼食を食べようと思って、数量を間違えて注文してしまったが、英語が通じない。相手は中国語でなにか言うがもちろんわからない。こちらも負けじと日本語でまくしたてていると、店で食事を終えて出てきた在留の日本人が「どうしたんですか?」と訊く。事情を説明すると、中国語で店の人に話してくれて無事解決。
 それも旅のいい思い出になった。

 最初に書いたが、今、日本と中国はいい関係ではない。
 しかし、中国に行けば中国人の普通の生活があって、日本人だからといって嫌がらせを受けるわけではない。
 たまたま、そういう人に出会わなかっただけかもしれないが、翻って私たちは日本にきている中国人に嫌がらせをするだろうか? する人もいるかもしれないが、大多数の日本人は国と人とを分けて考える。
 中国人だって同じなのである。

 日本に来る中国人観光客は、きっと旅の良い思い出を持って帰る。日本に親しみを感じ、日本で買ったり食べたりしたものに愛着を持つ。
 上海もよい街である。西塘にガイドしてくれた日本人も、住みやすい街だと言っていた。ただし、物価は東京と変わらないそうだ。

横浜-上海、クルーズ船の旅(14)水郷・西塘


西塘の水路に並ぶ提灯と観光用の舟

 上海とその周辺は揚子江河口のデルタ地帯で、日本でいえば利根川河口の霞ヶ浦周辺。潮来のような水郷の村があちこちにあるが、映画の『ミッション:インポッシブル3』のロケ地で有名になった西塘(Xitang)にツアーで行った。

 西塘行きを提案したのは連れ合いで、日本からネットでツアーを申し込んだ。
 上海中心部から南西に60㎞。上海市を外れて浙江省に入ったところにある。公共交通機関はバスしかないような田舎だが、近年観光地となり、中国の若いカップルのデートスポットとして人気なのだそうだ。

 交通の足も悪く、夜景を見なければ行った意味がないので宿泊が前提となる。ツアーなら送り迎えが車なので、その日のうちに上海のホテルに戻れる。若干忙しないが、かといって見るところは少ない。
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細い道に飲食店や土産物屋が並ぶ
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水路に架かる橋は観光客で混雑
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『M:i:Ⅲ』、トム・クルーズのポスター
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左が夕食をとった食堂
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紛い物のキャラクター商品も売られている

 錦江飯店のロビーで待っていると、ツアーの迎えの男性がやってきた。
 玄関を出て見回すとバスがいない。マイクロバスもいない。男性についていくと、乗用車のドアを開けてくれた。
「今日のツアーはふたりだけです」
 観光タクシーか、専用ガイドを雇ったようなもの。
 聞けば日中関係が悪化して以来、日本からの観光客が激減してしまったのだそうな。

 乗用車は高速道路に上がると、一路西塘へ。国慶節休暇の影響で車の流れの悪いところもあったが、トイレ休憩の必要もなく、ノンストップで水郷に到着したのだった。

 舟の浮かぶ水路の両側は土産物屋や飲食店がずらりと並ぶ。これも観光地化の影響で、提灯の数も激増し、昔よりも華やかになったとか。
 奥まで行くとカラオケだかディスコだかのネオンが水面に鮮やかに映えている。
 若者が集まれば、情緒が売り物の水郷の村でも、原宿・渋谷化するのが中国流。ホテルも≒ラブホで、見回せば確かに若者たちが多い。

 水路のたもとの食堂で西塘の郷土料理に舌鼓を打ち、折角だからと上海蟹までいただいた。ビールもさっぱり系で旨い。
 食事をしていると中国人のお婆さんがやってきて歌を聴かないかという。楽器を持たない流しの歌手・・・みたいなもの。「北国の春」はどうかと日本語でタイトルをいうが、ガイドが断る。
 歌声の検討はつくが、ちょっと聴いてみたい気もした。

 西塘の郷土料理はなかなか旨い。中華の好きな連れ合いは、日本に帰ったら同じ料理を作ると意気込んでいたが、3ヶ月経ってもまだ皿に上がってこない。
 人のことは言えない。3ヶ月経っても、上海旅行記はまだ終わらない。年内に終わるのか?


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七会 静 (ななえ・しずか)

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