さまよえる喫煙者たち

 たぶん、煙草の話はこれが最後である──

 07/7/25「禁煙ではなく減煙(5)煙草とストレスと肩こりと親知らずの関係」の最後に、こう書いた。
 ところがどっこい、最近、煙草を巡る話題が続く──

 九州から始まったtaspoカード導入は、7月からついに全国に広がる。taspoがないと自販機では煙草が買えない。
 未成年者の子どもにtaspoを貸した不届きな親がいたとか、カードを持っていない人のために煙草店主がtaspoを貸し出しているとかいったtaspo狂騒曲も続いているわけで・・・
 でも、俺は1年前に煙草を止めたから関係ねぇな。

 まあ俺の予想だと、taspoを申し込むなんて面倒だから、結局対面販売を利用するようになるんじゃないか? 知り合いの喫煙者たちは、みんなそうするって言ってる。
 自販機の売上が落ちて、次第に撤去・・・で、ますます対面販売が中心になる。夜中に煙草を買えるのはコンビニしかないから、コンビニの売上が伸びて、自販機を置いている町の煙草屋は売上が落ちる。
 で、薹(とう)が立った煙草屋の小町が嘆くってわけか・・・

 タバコを1箱1000円にしようという話も出てきたな。税収不足をタバコ税で補おうって魂胆らしい。
 ところが、1000円にすると、みんなが禁煙してしまってタバコ税収入が落ち込むと心配する連中が、とりあえず500円にして徐々に上げていこうなんて言い出している。
 喫煙者の弱みに付け込む腹黒い連中だな。国民の健康よりも税金の方が大事ってことか?
 煙草は打出の小槌・・・

 前にも書いたことがあるけど、煙草を止められない可哀想な人たちのためには、煙草を値上げするのが一番だ。俺は煙草を止められない時から、そう思っていた。1000円なら止められると・・・
 だから、1000円でいいんじゃないか・・・なんて書くと、愛煙家から裏切り者と罵られるかな。

 姑息なことはやめて、一気に1000円でも2000円にでもしたらどうだ? いや思い切って1万円。
 喫煙家の多くは、煙草を止めたくても止められないんだな。だから少しずつの値上げは、蝦蟇(がま)からタラ~リ・タラリと油を搾り取るようなもんだ。
 1万円になっても煙草を吸いたいという愛煙家は、そうそういないからな。
 でも、喫煙者はとりあえずは100円程度の値上げにしてほしいと思っているだろうな。喫煙者の悲しい性だ・・・俺にはよく判る。

 もう一つのニュースは、最近、千代田区の公園が喫煙者に乗っ取られているという話題。
 俺がまだ愛煙家だった頃、千代田区の喫煙事情について、06/5/31「千代田区路上禁煙と喫煙者の意地」に書いたことがあった。
 だからいったじゃないの・・・というのは、松山恵子の1958年のヒット曲である。

 あれから2年の間に、千代田区だけでなく周辺区でも喫煙できる場所が少なくなっていった。そして、やっぱり、矛盾はいつも禁煙特区の千代田区から始まる・・・
 喫煙場所がどんどん減っているために、喫煙者の一極集中が起き、公園は喫煙者の溜まり場となってしまった。

 朝、改札を出てオフィスに向かう前に公園で一服・・・
 昼、オフィスに入る前に公園で食後の一服・・・
 営業マンは、相手先との打ち合わせを無事終えて公園で一服・・・
 そして、ママは公園での子どもの受動喫煙が心配・・・

 そんなことは前から判っていたことじゃないか!
 喫煙者が公共の場からも路上からも締め出されれば、煙草の吸える場所を求めてさすらい、限られた場所に集まるようになるのは理の当然。
 一昨年の記事でも、千代田区ではコーヒーショップが喫煙者の溜まり場になっていると書いた。

 店名を書くのもどうかとは思ったが、敢えて書いておこう。
 煙草を吸いたい人はドトールコーヒーに行くと良い。ドトールは愛煙家のためにある。
 一方、嫌煙家は間違ってもドトールには入らないほうが良い。中にはきちんと分煙してある店もあるが、基本的には煙草の無法地帯と思った方が良い。

 しかし、喫煙者はいつもいつもコーヒーショップに入るわけにもいかない。時間の余裕がなければ、どこで吸うか?
 俺はかつて愛煙家だったから、連中の考えることが手に取るように判るぞ。

 路上で吸えないのなら、公道を外れれば良い。例えば、ビル陰や脇道の私道、コイン・パーキング。
 でも、用もないのに他人の土地に入り込むのは犯罪だから、ちょっと気が咎めるかもしれない。

 で、次の狙いは煙草屋だな。大抵は、店の外に灰皿を置いてある。
 ただ、これにも問題があって、灰皿は店の敷地にあっても、吸う人間は公道で吸っている。明らかに、路上喫煙禁止条例違反だな。
 罰金取られても文句は言えないはずだが、「だって、灰皿があるから・・・」という言い訳で見逃してもらえるんじゃないかという、喫煙者の浅知恵かもしれない。

 で、結局、公園に落ち着く。それでも、公園利用者の冷たい目を気にして、隅の方で遠慮がちに吸う。ほとんど犯罪者の気分・・・
 愛煙家みんなが同じことを考え始めると、やがて公園は喫煙者の溜まり場となる。俺がよく通る千代田区内の小さな公園は、バイク便の運転手の溜り場になっている。
 2年前には、あまり喫煙者を見かけなかったんだけどな・・・つまり、その頃は俺がその公園を利用していたってわけ。

 公園の喫煙者の人数が多くなると、隅にばかり固まっていられなくなって、あちこちで紫煙が立ち昇るようになる。
 それを見た通りすがりの愛煙家も、ここなら煙草が吸えると思って、一服しに公園に入る。ますます、喫煙者ばかりになる・・・
 
 千代田区の公園が喫煙者の溜まり場になって、一般の公園利用者からも苦情が出ているそうだ。 
 千代田区の職員が、「厳しくするだけではだめなんですね。歩き煙草やポイ捨ては確かに減ったのですが・・・」と言っているそうだが、そんなの100万年前から判っていたことだぞ!
 だから2年前の記事で、千代田区はタバコ税で公共の喫煙所を設置しろと言ったんだ。秋葉原に1億円のトイレを作って得意になってる場合じゃないって・・・

 申し訳程度に喫煙所を作ったって間に合わないぞ。駅ビルの1フロアを全部喫煙所にするくらいじゃないと、周囲に迷惑をかけることになるぞ。
 千代田区のタバコ税収入を全部充てるくらいのつもりじゃないと・・・とにかく、千代田区は地価が高いからな・・・

 公園も禁煙エリアにするべきだという嫌煙者も多い。
 でも、ただ禁煙エリアを拡大して喫煙者を追い込むだけでは、問題の解決にはならないと思うぞ。みんなが高校生みたいに駅のトイレや路地裏で隠れて吸うようになったら、火事の危険だってあるぞ。

 今は煙草を止めたから好きなことが言えるけど、煙草を止めて一番良かったのは、煙草を巡るストレスがなくなったことかな。
 喫煙場所を探さなくてすむし、喫煙所の脂だらけの密閉空間で惨めな気持ちにならなくてすむし、禁煙で長時間我慢しなくてすむ・・・

 それでも、今でも煙草を吸う夢を見ることがあって、因果なもんだなと思う。
 俺は禁煙に3回失敗しているから、今も禁煙しているとはいわない。煙草を止めているだけ・・・断煙。
 最近、禁煙に失敗した時のことを思い出すようになった。なぜ、失敗したのか?

 禁煙を続けていると人間は慢心するようになる。ここまで禁煙できたんだから、1本くらい吸ったって喫煙習慣は戻らないさ・・・これが、落とし穴。
 喫煙していた頃に、繰り返し繰り返し脳細胞にすり込まれた記憶は、1本の煙草とともに鮮明に甦ってしまう。1本許せば2本になり、2本許せば3本になり、喫煙の間隔が次第に短くなって、気がついた時には煙草とライターを持っている。

 人間はそれほど意志が強くないのに、禁煙に成功すると、自分は意志が強いと錯覚してしまう。俺だけかもしれないけれど・・・
 だから、俺は意志薄弱と、自戒、自戒。

禁煙ではなく減煙(5)煙草とストレスと肩こりと親知らずの関係

 さて、この話は「親知らずの話」シリーズの続きとして書くべきか、はたまた「五十肩でも肩こりでもなく」4回シリーズの続きとして書くべきか、それともそれに続く「禁煙ではなく減煙」4回シリーズの続きとして書くべきなのか、さんざん迷った。
 というのは、それぞれの相互に関連のある話だったからだ。で、とりあえずは「禁煙ではなく減煙」シリーズの続きとした・・・まあ、散々迷うほどのこともない、どうだっていい話なんだけど・・・

 首筋から右肩、右腕にかけての筋肉が激痛に襲われたのは、ゴールデンウィーク中の5月4日のことだった。5月7日に整形外科に行くと、ストレスが原因の自律神経失調症と診断された。
 この話は5月12日からの「五十肩でも肩こりでもなく」4回シリーズに書いた。

 ストレスが原因・・・いくつか思い当たることがあった。そして、ふと頭を掠めたことがあった。
 確かにストレスはある。でも、ストレスは今に始まったことじゃない。昔、忙しかったときに十二指腸潰瘍になったこともあったが、俺はもともとストレスには強い方だ。
 ストレスを発散できなかったことが、今度の肩周辺の激痛の原因なんじゃないだろうか? そして、煙草を止めたことも原因の一つだったんじゃないだろうか・・・

 「そんなことないでしょ・・・」
 減煙がストレスの原因じゃないかと言うと、連れ合いは言下に否定した。
 折角減煙に成功しているのだから・・・ということも、連れ合いは考えたかもしれない。口では「無理しない方がいいわよ」とか言っているが、本当は禁煙させたがっている・・・そんなことは判っている。
 煙草を止めなければ、こんなことにはならなかったんじゃないか・・・と思うのが煙草飲みの悲しい性。それでも、禁煙がストレスというのは煙草のみの格好の言い訳に過ぎないと、自分自身に言い聞かせた。

 減煙の話は、5月28日からの「禁煙ではなく減煙」4回シリーズに書いた。
 減煙を開始したのが3月上旬。肩が痛み出したのは、煙草をほとんど吸わなくなってから2ヶ月弱経った頃のことだった。しかし、減煙がストレスの原因かもしれないなんて、鬱病愛好家の医者には口が裂けても言えなかった・・・
 「煙草を止めたのがストレス? そんなことありません」
 そう言って、冷ややかな軽蔑の眼差しを向ける鬱病愛好家の医者の顔が眼に浮かぶ・・・

 さて、続く6月10日からの「親知らずの話」シリーズに書いたように、親知らずの激痛に襲われたのは、肩の激痛から20日経った5月23日のことだった。
 減煙が始まった当初、良くガムを噛んでいた。一日中噛んでいた。親の敵のようにガムを噛んだ・・・そうやって歯に負担をかけたのが、親知らずが痛む遠因だったのかもしれない・・・
 そのうちに、親知らずから奥歯にかけて何となく滲みるように感じ、奥歯が少し痛むようになった。この頃から、親知らずが化膿して、顎の神経の周囲を腫らしたのかもしれない。

 「体調が悪いと、歯が痛みますからね」
 歯医者もそう言った。

 首筋から右腕にかけての筋肉が痛んだのは、左の親知らずが原因だったんじゃないか? いや、自律神経失調症が原因で、肩の筋肉と親知らずが痛んだのか?

 5/21「五十肩でも肩こりでもなく─意味不明の笑み」を書いた時に、肩こりと筋肉痛は快方に向かっているし、2週間分の薬をもらったので、たぶんその間には治るだろうと思っていた。
 しかし、実はその後も自律神経失調症の治療は続いていた・・・

 1本目の親知らずを抜いた跡を縫合した糸を抜糸する前日の6月4日、私は再び鬱病愛好家の医者のところに行くことになった。
 抜歯の時に力んだために、右の肩こりがひどくなっていた・・・

 「同じ薬で、もう少し様子を見ましょう」
 親知らずの経緯を話した後、私は三度、鎮痛剤と筋肉弛緩剤と精神安定剤を処方された。
 「あのう・・・」
 「?」
 「肩こりと親知らずの痛みとは、何か関係があったんでしょうか?」
 「関係ありません。親知らずは、親知らず!

 医者は言下に否定し、一笑に付した。

 翌日、抜糸の後、右の親知らずを抜く相談が終わって、歯医者に訊いてみた。
 「あのう・・・」
 「?」
 「昨日、自律神経失調症の方の診察に行ったんですが、肩こりの原因が親知らずだったんじゃないかって訊いたら、先生に関係ないと言われたんですが、やっぱり関係ないんですかね?
 「何ともいえません。首や肩の痛みの原因が歯だったということもありますし、そうじゃないこともありますしね・・・」

 減煙と肩こりと歯痛の関係・・・良く判んねぇな。肩こりと手の痺れは残っているし・・・

 肩こりと腕の痺れはなかなか取れず、更にもう一回、都合4回、鎮痛剤と筋肉弛緩剤と精神安定剤を処方された。
 6月末、7週薬を飲んだところで、肩こりと痺れもほぼなくなり、2本目の親知らずの抜歯の前に、自律神経失調症の服薬は自主的に終了した。

 そういえば、鬱病愛好家の医者には都合4回診てもらったわけだが、最初に「鬱病かもしれない」と言って私を脅したことなど、まるで忘れてしまったかのような素振りだった。最後に診てもらった時は初診から6週経過していたが、私は鬱病にされていなかった・・・
 やっぱり連れ合いが言ったように、あの医者は新患が来ると鬱病かもしれないと言って自分のストレスを発散させていただけなのかも知れないな・・・

 減煙の話だが、6/7「禁煙ではなく減煙(4)俺って最低の人間?」で最後に私はこう書いた。
 ──さて、3本目の葉巻を買うかどうかが、私にとっての当面の問題である。買うかもしれないし、あるいは買わないかもしれない・・・はたして後日談はあるのか?

 3本目の葉巻は買っていない。2本目の葉巻は、残り3センチメートルになって、すでに2ヶ月近く放置されている。もう、枯葉の味しか残っていないだろう。
 つまり約2ヶ月、私は全く煙草を吸っていない。
 葉巻減煙法が成功したのか、良く判らない。自律神経失調症に悩まされ、親知らずを抜いたことで煙草も遠慮した。そんなこんなが重なって、減煙に続いて2ヶ月禁煙という結果になった。

 私は卑怯者なので、禁煙しているとは言わない。断煙したとも言わない。今でもごくたまに煙草が吸いたくなる瞬間がある。フラッシュバックである。
 しかし、それも少し我慢すればすぐに忘れるし、そもそも人の煙草に誘われない。むしろ煙を迷惑に感じるようになった。今では迷わず禁煙席に座る。

 かつて3回禁煙した時には、煙草を吸う夢に悩まされた。吸ってから、しまった! と思う夢である。
 この4ヶ月、煙草を吸う夢を2回ほど見たが、どちらも満足気に煙草をふかしている夢だった。禁煙に失敗したといって強迫観念に悩まされるような夢ではない。目が覚めても、「あれ? そういえば煙草を吸っている夢を見たな・・・」程度にしか思わない。
 無理して減煙、あるいは禁煙という悲壮な目標を立てなかったのが、良かったのかもしれない・・・

 たぶん、煙草の話はこれが最後である。自律神経失調症は復活するかもしれない。親知らずの話はまだ続く・・・

禁煙ではなく減煙(4)俺って最低の人間?

 私は30年以上、煙草を吸ってきた。3回ばかり禁煙したことがあったが、いずれも失敗に終わった。
 そして、3ヶ月前から紙巻煙草を買うのを止めて、葉巻に変えた。元来、ケチな私はちびちび葉巻を吸うので、著しく喫煙量が減った。1日300円の煙草代が、葉巻にしてから日割り単価27円にまで下がった。
 禁煙ではなく減煙である。いずれは断煙できるかもしれない・・・前回までの話。

 意志薄弱で卑怯者の私は、ケチな性格を利用して取り敢えずは減煙に成功した。前回も書いたように、家の外では煙草を吸わず、家でもほとんど吸っていない。全く吸わない日の方が多い・・・
 この1ヶ月は、水もガムもいらなくなった。
 煙草を吸う夢は2度ほど見たが、以前に禁煙した時ほどには酷い夢ではなかった。目が覚めて、そういえば煙草を吸っていた夢を見たなといった程度で、精神が不安定になるような夢ではなかった。

 コーヒーショップでは禁煙席があれば禁煙席に座る。店によっては紫煙が漂ってくる場合もあるし、禁煙席がなくて喫煙席に座る場合もある。仕事の打ち合わせでは相手が煙草を吸うこともあるが、煙草の煙は気にならない。
 もっとも最近では、人の煙がちょっと迷惑にさえ感じる・・・人間なんて、所詮勝手である。

 国際禁煙デーの頃になると、煙草についての話題が多くなる。そして大抵は、喫煙や受動喫煙の害について、嫌煙権について、どうすれば喫煙者を減らせるか・・・といった、喫煙者には不快極まる話ばかりである。
 どうすれば喫煙者を減らせるか? そんなもん、余計なお世話じゃない・・・

 確かに路上には吸殻が落ちているし、道や公園で煙草を吸っている人もいて煙が流れてくることもある。きちんと分煙されていない飲食店も多い。
 しかし煙草を吸っていた頃の実感では、煙草の吸える場所が非常に少なくなって、喫煙場所を探すのが一苦労だった。

 外で吸わなくなった今は、禁煙の場所を探すのに、喫煙できる場所を探すほどには苦労しない。分煙の不十分な飲食店なら入らなければ良いだけのことで、全面禁煙の飲食店は少なくとも東京近辺には幾らでもある。
 道でも公園でも店でも、要は煙に近づかなければ良いだけの話だ・・・

 紙巻煙草1箱の値段が800円になれば、7割の人が禁煙するという調査結果があった。欧米並みの値段である。愛煙家の人たちには裏切り者と叱られるかもしれないが、まあ、それもいいんじゃないのかな。

 俺も結局、葉巻の値段を利用して減煙したわけだから、たぶんそれが喫煙者を減らす方法としては一番手っ取り早いんだと思う。
 日本ならバスが来れば差し掛けでもすぐにポイ捨てする煙草だが、欧米ではバスをやり過ごして1本の煙草を最後まで吸うそうである。確かに1本40円もしたら、俺だってそうするよな・・・

 以前にも書いたが、日本の煙草の税収は2兆2千億円である。
 煙草が喫煙者にも受動喫煙者にも健康被害を及ぼす悪習慣というなら、税収が激減することを覚悟して煙草の値段を1000円にでも2000円にでもすればいい。

 天声人語だって、嫌煙を叫ぶなどという中途半端なことは止めて、煙草が絶対悪だと思うのなら、麻薬同様に禁止薬物に指定するキャンペーンでも張ればいい。かつてのアメリカにあった禁酒法のように、煙草の販売を禁止する法制化を主張すればいい。

 何で、煙草の販売を禁止しないの? 何で、どこの国でも煙草を売っているの?
 公共の場での全面禁煙だとか、煙草の値上げだとか甘っちょろいこと言ってないで、煙草の栽培と販売を禁止する国際条約を国連で批准するくらいの運動でもしたらどうなの?

 俺には愛煙家へのただの嫌がらせか、「あなたは罪人です」と街頭で説教している胡散(うさん)臭い宗教にしか見えないぞ。
 遠吠えしているだけの卑怯者にしか見えないぞ・・・あっ、卑怯者は俺だっけ。

 さて、ここまでの話を読んで、葉巻による減煙を試みようと思った人もいるかもしれない。
 私が減煙に成功した理由は二つである。煙草の量を減らしたいと思っていたこと、そしてケチであること・・・
 他の人が同じようにして、同じように上手くいくかどうかは判らない。

 葉巻については、この記事を読んだ葉巻愛好家の方は、呆れるか邪道だとお怒りになるかもしれない。なぜなら、葉巻はこんなに長期間をかけて吸うものではないからである。

 一般的に知られている葉巻はプレミアムシガーと呼ばれ、70%前後の湿度に保たなければならない。吸えば当然乾燥するので、味が落ちるのである。実際、乾燥し始めると紙巻煙草のように枯葉を吸うような状態に近づいていく。最初のふくよかな味が損なわれる。

 つまり、私は喫煙量を減らすために、葉巻道においては邪道な吸い方をしているわけである。減煙のために味わい深い葉巻を利用している、葉巻をわざわざ不味く吸うような、葉巻を冒涜する愛煙家の風上にも置けないとんでもない人間である。
 おまえは葉巻を何だと思っているんだと怒られれば、ごめんなさい、と平に謝るしかない。

 私は、意志薄弱で、卑怯者で、ケチで、目的のためには手段を選ばない、卑劣な人間です。どうも申し訳ございません。
 精魂こめて葉巻を作っている、キューバやドミニカ、アメリカ、その他地域の皆様、どうぞお許しください。

 ところで、子どもの頃に母の実家に行くと、葉タバコの畑があったことを思い出した。母の実家で葉タバコを栽培していたかどうかは覚えていない。
 北隣の家には、葉タバコの乾燥場があって、その前で収穫した葉タバコを干していた。タバコの葉は大きい。畑の緑色の葉が黄色く色づくと収穫する。あれは8月の夏休みの頃だった。

 タバコを栽培すると畑が痩せるので連作はできないと、伯母が話していたような記憶がある。葉タバコは畑の土の養分を吸い取ってしまうという話だった。まあ、土の養分を良く吸い取るから、ニコチンもタールも多いのかもしれない・・・

 紙巻煙草は、良く知られるように乾燥した煙草の葉を細かく刻んでライスペーパーと呼ばれる紙で巻いたものだ。刻み煙草とライスペーパーとを別々に購入して、手で巻くということもできる。まあ、手巻き寿司みたいなものである・・・そういえば、最近手巻き寿司食ってねぇな・・・

 紙巻煙草を買うよりは安いので、煙草の高いヨーロッパでは結構流行っているらしく、日本でも購入できる。まあ、紙巻煙草のように綺麗な円筒形には巻けないのだが・・・

 日本でも、昔はそうやって煙草を吸っていたのかどうか知らない。戦時中か戦争直後の話だったのか、農家で作った煙草を乾燥させて刻み、辞書の紙に巻いて吸ったと、父から聞いたことがあった。
 たぶん物資が不足し、高インフレになった戦後の話なのだろう。

 父によると、辞書の紙がライスペーパーに近いらしい。ライスペーパーは、麻の繊維などから作るそうで、最近はシガレットペーパーという言い方が一般的のようである。
 辞書に使われる紙はインディアペーパーと呼ばれ、昔はやはり麻や木綿の植物繊維が主体だったそうである。現在は木材パルプに炭酸カルシウムを混ぜているそうだ。

 ライスペーパーの名前の由来については良く判らないと、JTのホームページには書いてある。そういえば、最近ではライスペーパーといえばベトナム風生春巻きに使う、米で作った料理用の皮をいう方が一般的かもしれない。
 先日、我が家でもライスペーパーで巻いたベトナム風生春巻きを作った・・・

 話があちこちに飛んでしまった・・・
 葉巻にもいろいろな種類があるが、要するに紙巻煙草に対して、葉巻煙草ということだ。刻み煙草ではなく葉を丸めたものが葉巻である。
 
 葉巻による減煙を試みようと思う人に対しては、一応リスク情報を書いておく。

 減煙するつもりで葉巻を吸ったら、罷り間違って葉巻愛好家になってしまうかもしれない。言っておくが、きちんと吸えば葉巻は上手い・・・
 その場合は、タバコ代は跳ね上がるし、ニコチン・タールの量も跳ね上がる。もしそうなっても、私を恨まないでほしい。

 私は卑怯者である・・・
 すでにお気づきと思うが、私はこの話を同時進行形では書かなかった。つまり今頃になって、減煙に成功してから書いている・・・

 さて、3本目の葉巻を買うかどうかが、私にとっての当面の問題である。
 買うかもしれないし、あるいは買わないかもしれない・・・はたして後日談はあるのか?
 所詮、私は卑怯者なのである・・・



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