風呂をうめる、ってどういう意味?(上)

              
422kakubeijishi.jpg
422kazaguruma.jpg
4-22蕎麦細工の角兵衛獅子 (275x367)

 先般、豊島区に住んでいる矢島勝昭さんにお会いする機会があった。
 矢島さんは昭和4年生まれの今年88歳になられた方で、かつて日本電電公社にお勤めの傍ら、雑誌にイラストを描いていらっしゃった。
 退職後は郷土史の研究を始められ、平成7年、江戸時代に雑司ヶ谷鬼子母神の郷土玩具として名物だった、風車と麦藁で作られた角兵衛獅子を復元された。
 これまでにテレビでも紹介され、ご自宅の一部を展示室にされている。

 2月初旬にお訪ねしたので、お土産にバレンタイン・チョコレートに持参し、「男からもらっても嬉しくないかもしれませんが」と申し上げたところ、「甘党です」と喜んでいただけた。
 そのお返しだったのか、帰りに『画集・二十世紀の情景』というご著書をいただいた。

 矢島さんが生まれ育った池袋・雑司ヶ谷界隈の昔を描いたもので、今からは想像もつかないような情景ばかりだ。
 いただいた本を読み終わってテーブルに置いていたら、子供が目ざとくそれを見つけてぱらぱらめくり始めた。

「うめる、ってどういう意味?」
 子供が顔を上げて言った。
「うめるって、お風呂の?」
「そうみたいだけど・・・」

「雑司ヶ谷わんぱく時代」と題された一連の絵に、銭湯の男湯の脱衣場を描いたものがあった。二人の男の子が引き戸を開けて、脱衣場をおそるおそる覗いている。
 絵には次のような文が付されている。

 おとこゆに はじめて はいった
 ちょっと こわかった
 あつくても がまんした
 うめなかった。

 文から推察するに、それまで男の子は母親に連れられて女湯に入っていたのだろうか。
「もう大きくなったんだから、男湯に入りなさい」 
 母親に言われて、友達と一緒に男湯の扉を開ける。そこには大人の男ばかりで、母親の保護を離れた子供には不安が広がる・・・
 
 さて、ここからは、矢島さんの情感あふれる世界を離れて、「うめる」という言葉についての現実的な話だ。(続く)


(写真・絵)
矢島さんが復元した蕎麦細工の角兵衛獅子(上)と、風車(中)。
下は『江戸名所図会』に描かれた、雑司ヶ谷鬼子母神参道の「御休ところ」で売られている角兵衛獅子と風車。


コメントの投稿

非公開コメント



運営者

七会 静 (ななえ・しずか)

▼著書
ハリー・ポッターの魔法ワールド大図鑑 (廣済堂PB)
「ハリー・ポッター」のホントの魔法事典 (廣済堂PB)
よくわかる「世界の死神」事典 (廣済堂文庫)
ナルニアへの旅―ファンタジー・ツアー・ガイド(主婦と生活社)
幻の錬金術師列伝―賢者の石の探求者たち(主婦と生活社)
ハリー・ポッターの魔法ガイドブック 愛蔵版(主婦と生活社)

(c)NANAE SHIZUKA

リンク
▼運営者の関連サイトです。



▼オンライン辞書
goo辞書  YAHOO!辞書  infoseekマルチ辞書
weblio辞書  @nifty辞書  英辞郎on the WEB

▼参加しています。
ブログランキング・にほんブログ村へ

サイト案内
調べたい言葉を、下の窓に入れて検索ボタンを押してみてください。
もしかしたら、その言葉について書かれた記事が見つかるかも・・・

▼本ブログについての説明・・・
「言葉の重さと、我が存在の軽さについて」  (2007/2/3)
最新記事
最新コメント
カテゴリ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
メールフォーム

▼運営者への連絡にお使いください。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
QRコード
QR
お知らせ
▼更新は、現在週1回程度を予定しています。
▼本ブログではFC2アクセス解析を行っています。
▼2006/6/30以前の記事は JUGEM ブログ、2011/9/30以前の記事は忍者ブログに掲載していたものです。2011/9/30以前のコメントには、移転時に一部欠落してしまったものがあります。またコメントに対しての運営者の返事はすべて欠落しています。コメントをいただいた方には、ご了承をお願いします。
▼上記移転時に、一部レイアウトの乱れているページがあります。またリンクが正しくないものがありますが、ご了承ください。
▼不適当と判断されるコメントは、断りなく削除することがあります。
▼トラックバックは受け付けていません。
▼本ブログでは著作権法の権利を保持しています。記事および写真の無断での複製・転載・送信・翻訳等はできません。
▼記事の一部を引用する場合は、本ブログからの引用であることを明記し、上の欄のメールフォームでご連絡ください。
▼リンクはフリーです。